MESSAGE │ ROOM-社長の論説-

2018.02.14

ROOM -社長の論説-
いわきFCの現在地 ~パシフィックリムカップ2018を終えて~

2017-18シーズンの冬のマーケットで、日本代表の若武者、井手口陽介選手(元G大阪)が、イングランド・チャンピオンシップ(2部リーグ)所属のリーズに移籍した(現在は、スペイン2部リーグのクルトゥラル・レオネサに期限付き移籍中)。日本代表の練習で、海外組の選手が激しく体をぶつけ合う姿に直面して、彼はこう言ったという。「これが普通の基準なんだ。自分もその世界に行きたかった」。そして、スペインで実際に強い当たりを味わうと、「すごく激しいし、だから楽しい」。海外に出ていった選手たちは、残念ながら皆同じことを言う。

パシフィックリムカップは、4チーム中最下位という結果に終わった。しかし、いわきFCはフィジカルでは負けていなかった。走力、球際も負けていなかった。バンクーバー、コロンバスには各国の代表選手が何人もいて、体格も一回り違っていた。それでも、いわきFCの選手たちは逃げずに、むしろ体のぶつかり合いを好むかのように、自ら相手の懐に入っていった。そして、倒れる選手は相手チームばかりであった。外連味のない、止まらない倒れない「魂の息吹くフットボール」は、真っ向勝負で日本人でもフィジカルで負けないことを証明した2015年ラグビーワールドカップのエディージャパンを彷彿とさせた。  

さまざまな海外のソーシャルメディアから高評価のコメントを頂戴し、毎試合スタンドからは惜しみない拍手をいただいた。結果を得ることはできなかったが、「フィジカルスタンダードを世界基準にする」というビジョンの結果は得ることができたと感じた。つまり、正しいストレングストレーニングをやれば、上背で勝てなくても、球際は負けなくなるし、何より選手が勇敢な「闘う男」になり、それが見ているお客様に伝わるのだとあらためて感じた。

だからこそ、札幌対バンクーバーの決勝戦を有明放送局で田村監督と解説しながら感じてしまった。私の大好きなプレイヤーの一人である三好康児選手が、ファールなんだけど、ファールをアピールせず、力強く耐えて、当たり前のように突破する力強さがあれば、世界に出ていけるのになと。いや、三好選手を日本の中で世界基準のフィジカルスタンダードを身に付けさせたいなと。そうでないと、井手口選手と同じコメントを残して日本から出て行ってしまうだろうなと。

Jリーグが誕生して25年。毎年のように同じことが繰り返される現状は、指導者が悪いのか、経営者が悪いのか、選手の意識が低いのか、審判が悪いのか、お客様の目が肥えていないのか、根本的にサッカーのとらえ方(興行の大義)を間違えているのか。我々みたいに6部相当のチームでも、正しいストレングストレーニングと意図的に球際を激しくしたサッカートレーニングを毎日積めば、少なくとも井手口選手のような理由で海外へ出ていく選手は阻止できるし、何より試合の内容がよりエキサイティングなものになるのになと。それぞれのチームがそれぞれ課題を抱えて参加した大会だったと思うが、そんなことを思った自分は間違えているのだろうか。

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