MESSAGE │ ROOM-社長の論説-

2000.09.09

ROOM -社長の論説-
「歴史に残る1日」

JFLは決して甘くない舞台。

9月6日のJFL第19節・ホンダロックSC戦は、今シーズン初めてのホームでの有観客試合となった。

新型コロナウイルス感染拡大により、入場時の検温や入場後のソーシャルディスタンスの確保、そして鳴り物や声援の禁止などが義務づけられた。

そんな状況であっても、いわきグリーンフィールドには多くのファンの皆様がご来場くださった。本当にありがたい限りである。

ただし、試合は1対2で敗れた。

前半に先制され、後半に入って追いついたものの、PKを与えてしまい逆転。そのまま守り切られてしまった。残念でならない。

どのチームも、今年昇格してきたいわきFCを警戒している。その様子が、プレーから伝わってくる。

走力を生かして縦に積極的にスプリントするわれわれに対し、多くのチームは長いボールを蹴り、セカンドボールを拾う戦術を徹底してくる。ホンダロックSCさんもそうだった。

特に前半45分間、相手に合わせた戦い方をしてしまったのは残念だった。落ち着いてあの状況を跳ね返し、自分達のペースに持っていかねばならない。そして、あのPKがなければ、という思いもある。

でも、これがJFL。決して甘い舞台ではないことを思い知らされた。そして、この先に向けた課題もはっきりと見えた。

プロスポーツの本質は「興行」。

勝敗はともかく、2020年9月6日は、いわきFCにとって記念すべき1日となった。

コロナ禍で4カ月延びてしまったが、いわきFCはチーム創設5年目にして初めて、お客様からお金をいただいてリーグ戦を開催することができた。

幾度となく書いてきたことだが、プロスポーツの本質は「興行」。チームは、チケット収入が主な収入源であるべきである。

そして、お客様がたくさん入ることで、チームのスポンサーになるメリットが出てくる。

この構図が基本であり、昨今では、ソーシャルメディアのフォロワー数も大きなスポンサーメリットとなっている。

今回の有観客試合でいわきFCは、お金をいただいて試合をするプロサッカークラブという土俵に、やっと立つことができた。

試合前日の練習後、選手達にこう伝えた。

「いわきFCの歴史の中で、有料開催のリーグ戦は初めての経験。プロサッカー選手は、お客様からいただくチケット収入があって生活できる。だから、もちろん勝つことも大事だけど、一番大事なのはスタジアムで試合を見てワクワクしてもらうこと。お客様に心躍る体験を与えることが選手の使命。それが君達の給料につながることを、肝に銘じてほしい」

もしかするとこの言葉がプレッシャーとなり、久しぶりに多くのファンの皆さんの前で戦ったことで、気負ってしまったのかもしれない。

試合に勝ちたいのは当然のこと。それは相手も同じ。万事を尽くしたならば、勝負は時の運である。残念ながら負けることもある。大事なのは、どう負けるか。選手にもスタッフにも、常にそう言い続けてきた。

選手はよく頑張った。みんなが戦う姿勢を見せ、懸命に走り続けた。ファンの皆さんが声を上げて応援することができない中、必死で走る姿が勇気を与えた面も、少なからずあったと思う。

J3でも上位に入る集客力。

この日、いわきグリーンフィールドに来場してくださった方の数はなんと1162名(※)。同日に行われたJFLの全試合でも、圧倒的ナンバーワンの数字だ。

JFL第19節 入場者数
鈴鹿PG-HondaFC 413名
奈良クラブ-V大分 511名
テゲバ宮崎-FC大阪 中止
R青森-松江 415名
武蔵野-ソニー仙台 無観客
V三重-MIOびわこ282名
いわきFCーホンダロックSC 1162名
高知Uーマルヤス岡崎 647名

それどころか、9月5~6日に行われたJ3第14節の7試合で、入場者数1162名を超えたゲームは1試合のみである。

J3第14節 入場者数
9月5日
相模原ー福島 541名
G大阪U23-藤枝 413名
9月6日
岩手ー鳥取 372名
沼津ー岐阜 822名
横浜ー今治 699名
秋田ーC大阪U23 1451名
讃岐ー富山 551名

つまりいわきFCは、J3でも上位に入る集客力を持っている、ということだ。

(※新型コロナウイルス感染拡大で大会方式に影響が出ていることから、Jリーグは、J3入会要件のうち「JFLのホーム戦での入場者数平均2000人以上」について、本年度に限り適用しないと決定している)

クラブの歴史の1ページとなったこの試合に、これだけたくさんの人が来てくださったことに、あらためて感謝申し上げたいと思う。

そして台風が迫る宮崎から遠征し、気持ちの入った戦いを見せてくれたホンダロックSCさんにも、厚く御礼申し上げたい。

今回の負けからわかるように「魂の息吹くフットボール」を実現するには、まだまだ課題が多い。だが現実としっかりと向き合い、それらを一つ一つ克服していくつもりだ。

来週13日も、同じいわきグリーンフィールドで試合がある。「いわきFCの試合をまた見に行きたい」と思っていただけるよう、精いっぱい戦いたい。そして次こそ、皆さんに勝利を届けるつもりだ。

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