11月22日(金)にいわきPITにて「2024クラブカンファレンス」を開催いたしました。
会場には約180名のファン、サポーターの皆様にお集まりいただき、今シーズンの振り返りや来シーズンの展望についてクラブからご説明を行なった上で皆様との意見交換を実施いたしました。
平日にも関わらず多くの方にご来場いただけましたこと、心より感謝申し上げます。
開催概要
日時:2024年11月22日(金)19:00〜21:00
場所:いわきPIT
登壇者:
株式会社いわきスポーツクラブ
・代表取締役 大倉智
・監督 田村雄三
・マーケティング&ファンエンゲージメント シニアマネージャー 川﨑渉
・社長付 運営担当 植竹宏介
2024クラブカンファレンス 議事録
大倉:本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。そして、1年間たくさんのご声援をありがとうございました。
本日は1年間の振り返りということで、 なるべく皆さんにお伝えできることをお伝えします。
僕の方から、まずは、年1年を振り返りつつ、元々このクラブをどんな考えでつくったか。
意外と知らない方もいらっしゃると思うので、クラブの歴史を少し振り返って、当時つくった映像などもお見せしながら、なぜ「スポーツで社会価値を創造する」というビジョンができたのかなど。
その辺りをざっとお話ししていきたいなと思います。よろしくお願いします。
大倉:今年は「UNLEASH(アンリーシュ)」という言葉をスローガンに使いました。
昨年J2を1年間戦ってみて、選手達の振る舞いも含め、なんとなくお客さんも増えてくるし、ソワソワしていて、地に足ついてないような気がしました。
簡単に言うと、なんか僕らやろうとしてることが失われつつあるなとずっと感じていました。
そんな中、今年どんなスローガンにしようかと話が出た時に、言葉を色々と整理していき、最終的には「もっとサッカーに向き合おうぜ」みたいな。
本能をもっと突き放して、サッカーにもっともっと純粋に向き合おうぜみたいなところで、この「UNLEASH(アンリーシュ)」という言葉になりました。
ちょっと余談ですが、「スローガンかっこいいね」「どうやって決めているの?」とよく聞かれることが多いのですが、毎年、安田オーナーと会話をして決めています。
今年の振り返りや思ってること、自分の思い。それらを会話し、最終的に「こんなふうに来年したいんだよね」っていうところで、それを伝える最適を選んでいます。安田オーナーは言葉選びの天才なんですよね。
実はもう来年のスローガンも出来ています。
今日は発表しませんが、このような形で僕らの大事にしているスローガンは出来ています。彼は今ハワイにいますが、ちゃんと力になってくれているし、気にしてくれています。
大倉:もう1つ大きなトピックスとしては、「日本のフィジカルスタンダードを変える Ver.2」として少しやり方を変えたところです。これが結構今年の大きなトピックスです。僕らのチャレンジだったところです。その成果がどうだったかというところは、少し後で田村監督にも話してもらおうと思いますが。
サッカーと接続し、より早く、より強く、もっとなろうと。昨年J2を戦ったときに、鈍臭いとか、球際負けるなとか、 俊敏性がないな、など様々な課題がありました。
それを見直すべく「日本のフィジカルスタンダードを変える Ver.2」と名付けて進化させた、ということが今年の大きなトピックスかなと思います。
いよいよ10年目に入ります。9年間、いわきに住まわせてもらって早かったなと。本当に早かったです。 なんか10年だなと、しんみりするところありますが、やはりもう一度、ここからの10年を作っていかなければなりませんし、最終戦のセレモニーでも「再起動」っていうことで話をしました。
そんな中、10年経って1番の課題というのはこの2つです。後ほど少しだけ触れますが、「スタジアム」と「天然芝の練習場」がハードルの高い課題です。
大倉:ここからは、どのようにしてこのクラブができたのかを、改めて皆さんにお話ししたいなと思います。きっかけは東日本大震災だったということは皆さんご存知だと思います。
そこから当時、僕も田村監督も湘南ベルマーレにいたので、様々な復興活動をしました。
田村は湘南からキッチンカーに乗っていわきまで来たり、サッカースクールをやったりとかしているので、多分7回くらいは来ていると思います。
その2年後に、安田オーナー(当時株式会社ドーム)との再会が僕の中でありました。
彼と出会ってこのプロジェクトの話も含めていろんなことを会話して「やるぞ」という決意のもと計画を練りました。結構時間がかかっています。
「本当に震災で被害を受けた地域サッカーチームを作るってことは、どういうことになるんだろう。」とかリアルに想像して、とにかく練りに練りました。
なので、計画が全て、当時作ったものを今ぐるっと回してるだけ。当然アップグレードはしてますけれども、そこの仕組みをぐるぐる回してるだけです。なので、1番最初のこの仕組み作りが我々にとって原点になっています。そして、2016年にチームができて、福島県2部リーグに参戦。設立まで5年間かかりました。
大倉:僕自身の心境としてお話ししておくと、震災が起きた当時僕は湘南ベルマーレのゼネラルマネージャーをやっていました。スポーツとか芸術、文化は無の状態になりました。
Jリーグも当然止まるし、スポーツなんて意味ない。まずは生きることが当たり前。
そう僕も思ったし、スポーツなんかやってる場合じゃないと。外国人選手は全員、母国に戻っていく。生きるためには止められません。「このままどうなっていくんだろう」「スポーツって本当に意味あるのかな」「別に必要ないじゃないか」当時、本当にそう思いました。
ただ、時間が経つとともに、スポーツ・芸術・文化は絶対必要になってきます。心の拠り所として「僕らってスポーツを通じて何かできることあるよね」という気持ちがまた復活してきました。その中で安田オーナーとの出会いもあり、何かしないと、みたいな想いが自分の中でふつふつと湧き上がってきました。
湘南ベルマーレで長年、勝った負けた、サッカーが好きな人だけ盛り上がってる、昇格だ、降格だ、ずっと勝負の世界で生きてきて「いやいや、スポーツの力ってもっと違うとこにあるよね」という思いがありました。まさに、それを示す時だと思い、湘南ベルマーレを辞めてこのクラブを立ち上げようと思ったので、僕の中では思いとしては深いです。
そのような自分の心境の変化でこのクラブが立ち上げたというところです。
僕がもう今55歳だから、いずれは次の人にバトンタッチしてかなきゃいけない。
皆さんも同じように歳を取るだろうし、次の世代に渡していかなければいけないと考えた時に、根っこはそこからあるので簡単に変わらないだろうし、だからこそやり遂げるっていう気持ちは10年経ってもやはり変わらず思います。
大倉:設立当初、株式会社ドームといわきFCで描いていた一枚の絵にスタジアムの未来図的なものが描かれています。なので、これは実現しなくてはいけないなと自分の中では思っています。
当時よく使ってた言葉に「ムーンショット」という言葉があります。つまり、困難だととか、なんか費用がかかっちゃって難しいじゃんっていうものをあえてトライして、逆算して今を頑張ろうみたいな。
このムーンショットという言葉はマーケティング用語でよく使うと思うんですけど、それを結構使ってました。実は社内で映像を作っていて、僕らは当時これをよく見ていました。
この中にも見たことがある方もいるかもしれませんが、もう一つ映像を作って、色々なところに歩いていっては「僕たちこんな風になりたいんです」と説明をしていました。
最初は反対されたりとか信用してもらえないことが多かったので、そこに行っては話してを繰り返した記憶があります。
こんな形でスタートしながら、まさにプロスポーツと地域がどう共存するとか、被災した地域ををどう復興させていくのか、その一助になりたいという思いでクラブができています。
そういった中では「スポーツで社会価値を創造する」という言葉がクラブのビジョンになりますが、あくまで僕らは「社会価値の創造」すなわち「人づくり、まちづくり」をする会社で、スポーツを通じた震災復興への寄与やスポーツによる地方創生の一助になりたい会社であると。それを達成するための手段が我々はサッカーなだけで、この立て付けや目的・手段・結果をしっかり抑えてます。
もう1つ言うと「創造」というのは、新しい何かを作っていくことです。この言葉がポンと出てきたわけじゃなくて、色々な背景、人の思いが詰まって、当然理念はできると思うので、こんな背景でできてきたというのが今の我々です。
大倉:もう1つはよく言ってるのは「ブランドとは、人の姿勢」ということです。実は安田オーナーがよく言っていた言葉です。
とにかく人がブランドを作っている。さらに言うと、クラブが作ったブランドが皆様のものになって真のブランドになると思います。なぜ、これを言ってるかというのを少しだけ説明します。
僕は勝つだけでは、会社のブランドできるとは思っていません。
僕らはプロスポーツ興行を行っているので勝たなきゃいけない。それは当たり前の話ですが、その上で、勝つことだけでブランドは作れないと真剣に思っています。
なぜなら、勝敗はマネジメントできないからです。勝ち負けは管理できないのです。
だから、そこに至るまでのプロセスを大切にし、仕組みを作るしかありません。今日は話しませんが、1つは体作りかもしれないし、それをクラブがちゃんと請け負うこと。
反対に、地域貢献とか地域に向き合うことは管理ができます。
それらは僕ら人の姿勢でなんとでもなるので、ここが会社のブランドを作っていると、僕は本当に思っています。
理念だけあってても、弱かったら意味もない。勝ってて理念がなくても意味がない。当然両輪が大事です。これらが「ブランドとは、人の姿勢」という所以です。
大倉:この1枚は岡山大学の高岡先生が、良いこと言うなと思って真似をさせてもらいました。
株主・協賛企業のためのクラブじゃなくて、まちのためのクラブにならないといけないし、クラブ経営のための事業展開ではなく、地方創生のための事業展開にならないといけない。
例えばクラブに対する協賛 が、浪費とか消費ではなくて、街の未来への投資を創出するためにそのお金を使っていかなきゃいけないよね、と。先生がおっしゃる様々なことが、本当にそうだなと思います。
自分のやりたいことを言語化してくれたので、これはあえて自分の中で割と大切にしてる資料になります。勝つことで集客力とか愛着が生まれることはもちろんあります。
だけど、それ以上にクラブの物語とか市民の皆さんとの絆が集客力に繋がってくっていうことをしないと、クラブの存在する意味がないと真剣に思っています。ですので、今後自分のマインドをしっかり持ちながらクラブ運営をしていきたいなと思っています
大倉:続けて少しだけ数字の話をします。これはJ1からJ2までの各カテゴリーにおける平均売上とその構成比になります。
清水エスパルスが50億ぐらいなので、50億クラブに 0-1、まあまあいいんじゃないですかねって思いたい(笑)
相手選手の報酬を考えるとよく頑張ったかなと(笑)
9点も取られたら、さすがに差があるなと思いましたが、ちょっとは縮められたかなと思います。
今年は昨年の選手が評価されて移籍金が売上構成比の12%ぐらいあります。これは毎年得られるものではないので、12億ぐらいが今の我々の実力かなと思います。この売り上げで9位というのは、選手たちが頑張ってくれたかなと思います。
今回、チケットを値上げさせていただいたり、来年からは対戦カードや時期などによって価格に変動のあるフレックスプライス制度を導入させていただくことを発表しました。
やはり、チケット収入をもっと上げていかないといけない中で、もうキャパの限界が来てるので、この売り上げを上げるためにはと言うところで、ご理解をいただきたいです。
15億から18億ぐらいを持ってJ2を戦わないと、なかなか上がるっていうことはしんどいかなとはちょっと思っています。それは選手を引き止めるっていうことも含めて難しくなってくっていうところが、今の現状かなと思います。
もう1つ数字の話をさせていただくと、僕らはソーシャルメディアのフォロワー数をずっと追いかけてます。
いわきFCのフォロワー数は約10万人なので、新興クラブで真ん中の方なのはまあまあかなと思います。
元Jリーグ専務理事の木村さんという方が、クラブの資産価値にソーシャルメディアのフォロワー数をかけるという文献を出しました。
それをやってみると、 僕らのクラブは38億だそうです。だから38億で売れんだなと思いました(笑)
やはり今はソーシャルメディアも自社メディアみたいなものなので、大事にしていて力を入れてやっています。
入場者数は平均4,300人近く来ていて、収容率が84.7%まで来ています。
感覚的には、去年はアウェイのサポーターに助けられてた感じでしたが、もう今はもう地元の方だけでこの数字にいっていると思っています。
大倉:最後にスタジアムの話をして終わりたいと思います。
僕はスタジアムを作るこのプロセスこそまさに地域に向き合ってる連携だなって思ってます。
まずは、簡単にスケジュールをお伝えします。
1つ目のポイントは、来年の6月にJリーグに具体的な整備計画を提示しなくてはいけません。
そして、27年6月には着工し、31年開幕を新スタジアムで迎えるということ。
〈具体的な整備計画〉
・場所を1か所
・スタジアムのスペック
・事業主体(ファイアンススキーム)
〈新スタジアム4要件〉
・アクセス(×地域資源=経済・社会効果=地域活性化)
・観客席が全て屋根で覆われている
・ビジネスラウンジ・スカイボックス・大容量高速通信設備
・フットボールスタジアム(5,000席以上)
〈考え方のポイント〉
・345日の居場所(試合日を除いた-20日)
・スタジアムだけでなく、周辺の経済効果、社会効果
・未来を見据える
〈機能のポイント〉
・合理的配慮(インクルーシブ)
・ZEB(環境配慮、防災)
・地域課題解決型(教育、ウェルビーイング)
大倉:いずれにせよ、お金もかかるし、いろんな交渉ごとになるので、そこは粘り強く頑張っていきたいと思っています。
まとめになりますが、我々の目的っていうのはスポーツ社会価値を創造することです。そのための手段は色々ありますが、これらのことを絶対に見失わないように、これからも頑張っていきたいと思います。
<目的(ブランディング)>
・スポーツで社会価値を創造する
・地域(社会)課題に向き合う
<手段(マーケティング)>
・フットボール興業
・チームビルディング
・人材育成(トップ/アカデミー/地域)
田村:今年の現場の振り返りをさせていただきます。 小さくなってる数字が去年の数字で、順位が上がったので、もちろんデータは良くなっています。
昨年もそうでしたが、攻撃回数が1位ですが、その反面で攻撃される回数も多い。シュートも同じです。そこは去年と今年も変わりません。
昨年のカンファレンスでも、最後の際のところを課題として取り組むとお話ししました。寄せ切るところだったり、もっとブロックすることを選手たちは取り組んでくれたので、データにも表れていると思います。
得点数においては、目標として65ゴールをめざしていましたが、惜しくも届きませんでした。
しかし、谷村選手や有馬選手を中心にリーグ7位の53点を取ることができました。
昨年よりもクロスの質や中に入るタイミング、パワーなど、プレーの質が向上したと思います。
また、失点45以下という目標は達成することできました。今シーズンはクロスの攻防を多く取り組み、「日本のフィジカルスタンダードを変える Ver.2」に進化させ、よりサッカーに接続することができたことを含めてトータル的に表れた数字だと思います。
田村:これは時間帯別の得点数、失点数のデータです。0分から15分は得点数は少なく、逆に失点してることが多いので、試合の入りが課題だと思います。
スプリントは秋本スプリントコーチのもと、しっかり取り組めたのでデータは良くなっています。いい意味で言うと、 効果的に無駄走りをなく、サッカーもスプリントもできています。
ただ、恐らく走行距離はJ1だと平均12キロくらい走っていると思いますので、増やしていかないといけないと思います。
昨年はPPDA(Passes Allowed Per Defensive Actions/ハイプレスの強度を測る指標)は1位で7.21、ボール支配率は45.2%で、ボール支配率を課題にあげました。サンフレッチェ広島さんを目標にやらないといけないといけないと言ったと思います。
今年は1位は変わらず6.61、ボール支配率は51.4%にあげることができました。J1〜J3で1番よく頑張ったチームかなと。自分で言うのもあれですけど(笑)
大倉:データから読み取るってことが複雑だったかもしれませんが、最後にどうしてホームで勝ててないんだ?ということを彼が答えてくれますので(笑)
田村:これは答えがないんですよ。選手にもよく聞いています。アウェイでよく勝てるのは、これだけのお客さんがこの地まで来てくれたと思って、勝手に燃えてくると。
大倉:ホームは燃えないのかよ!(笑)
田村:そうではないんですけど、みんなの思いを乗せて勝とう!となるみたいです。
語弊が生まれないように伝えますけど、もちろん選手にはホームも同じだろと話していますよ(笑)
あとは食事。アウェイだとみんな一緒に食事を食べるけど、ホームだと自分の家で食べるのでその辺で差が出るのかなとか。選手はそんなことはないっていうんですけど。
大倉:ホームでも前泊しろって言われたら、それはお金がないからやめてくれって(笑)
田村:大変なんですよ。あとは例えばスタジアムってどうだろうとか。陸上競技場だったり、あまり相手のホームとしての利点がないとか。
大倉:逆にハワスタ来ると相手も燃えてるんじゃないか?やりやすいんじゃないか?(笑)
田村:皆さんの作り出している雰囲気が、相手もやりやすいと思っているかもしれない(笑)
大倉:これが今の結論です(笑)
皆さん凄いなって。良いフットボールが展開できる環境を作っていただいている。
田村:雰囲気はものすごく良いと思います。データも見て分析しているのですが、ホームゲームで走れていないこともない。パフォーマンスが悪いってことはないと思います。
大倉:まあ、ホーム&アウェイ方式なので、来年はアウェイは維持しながら、ホームでの勝率を上げて皆さんと勝利を喜べるようにしたいなと思います。
Q.育成した選手の流出を防ぐためにもスポンサーの力が必要になると思います。スポンサー様が増える施策は行なっているのでしょうか。
大倉:スポンサーのみならず、会社全体の売り上げを15〜18億に持っていかない限り、オファーがきた選手と報酬の差額が倍ぐらい違ってくるので引き止められません。
パートナー企業様は現在、約430社にご協賛をいただいてて、7割ぐらいがサポートパートナーになります。今力を入れているのは、パートナー企業様との価値をどう上げていくか。
もちろん、広げることも大事ですが、既存のパートナー企業様にもっと価値を見出してもらうってことを今徹底的にやってます。
つまり、スポンサーするとどういうことが起きるんだっていうことを、我々からパートナー企業様と会話をしながらやっています。
例えば、ある企業様が何かしたい時に我々とプラットフォームで掛け算すると◯◯ができますとか。露出ではなくて、何か課題解決のために一緒に取り組みましょうとか。
セールスのチームは、パートナー企業様の課題みたいなことを全部抽出して、それに対して本来できることなんだろう、そんなような取り組みをしています。
Q.資金力を上げるためにはチケット収入が大きいと思うが、現状ホームはほぼ満席。新スタジアム完成までにその課題についてどのように考えているか。
川﨑:お陰様で、収容率は84%になってきています。リピート率のデータも上がってきており、皆さんが何回もスタジアムに足を運んできてくださっていることがわかります。
一方懸念として、ほぼ満席の状態が続くと、まだ来たことない人が行きたいとなった時にチケットが取れないこともあるかもしれません。スタジアムのキャパシティが変わらない限りは解決しませんが、少しでもチケット収入をあげるために価格改定をさせていただきました。
とはいえ、全試合が満員になっているわけではありませんので、全試合を満員にする努力をしていきたいと思います。
Q.ホームグロウン制度は今後利用するのでしょうか?また課題があればお聞きしたいです。
大倉:都心と地方では子供の数が違う。多ければ多いほどプロ選手が上がってくる確率は上がってきます。地元の子を6年間しっかりみて、卒業して、また地元に戻ってくるというアイデンティティを作っていく方が今のフェーズとしては良いと思います。とはいえ、環境を少しでも整えるために、来年からアカデミー寮をスタートする予定です。
Q.2025年に向けての補強基盤と基準についてと、来シーズンの目標について教えてください。
大倉:契約交渉期間なので、この1ヶ月が山場になります。いわきFCの選手たちは非常に市場価値が高いです。全力で慰留はしますが、最後は選手が決めることですので、出ていく選手は仕方がないです。
こういう時代なので、編成は年に2回やらないといけなくなっているかなと思います。
少しずつ、「このたびは〜」というリリースが出ると思いますが、すみません(笑)
ちょっとご理解いただきたいなと思います。
田村:目標は選手が揃わないと何とも言えません。ある程度、自分の中では固まっていて、今年以上とは決めています。
Q.移籍していった選手を必要ならば呼び戻すことはありますか。
大倉:もちろん、喧嘩別れして出ていったわけではないので、必要ならばあります。
常に連絡は取り合ってるし、出ていった選手もクラブを気にしている。
移籍したけど出れない選手がほとんどだから。だから移籍するなって言ってるのに(笑)
Q.いわきFC U-18から2種登録含めトップチームに昇格する選手はいないのですか?
大倉:先ほどお伝えしたように、競争環境がまだ整ていないので、今のところはいません。
Q.ハワスタでの今後のスタジアム運用について課題などお聞きしたいです。
植竹:今シーズン、ルヴァンカップ含めて約8万5,000人の方にお越しいただきました。色々とご不便をおかけしたと思いますが、無事に試合を運営させていただけたこと、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。毎試合、皆さんの声やフロントスタッフが感じたことをまとめて、PDCAのサイクルでシーズン途中でもチャレンジをしてきました。
<今季改善に取り組んだ課題>
・通信環境の改善
・待機列抽選システムの導入
・キャッシュレス決済システムの導入
・熱中症対策
<来期以降も継続検討する課題>
・座席運用
・アクセス面
・子供連れの方にやさしい環境
先週、FC今治さんのホームスタジアムに視察させていただきました。色々とヒントを得たので、引き続き検討を重ねていきたいと思います。もちろん、他にも継続検討をしていかなければいけないことが多々あると思っています。来年は平均4,300人以上を目指せるように、皆さんが安心・安全なスタジアム環境を整えられるように、精一杯頑張っていきたいと思います。
Q.これからのいわきFCの地域密着の関わり方について教えてください。
川﨑:今年、地域推進を中心に、地域活動を年間53回行いました。代表的な例として、キウイの苗植えには選手17名、サンライフゆもと訪問には選手11名と、大人数で伺い、触れ合いを行いました。
認知症サポーターの活動は、Jリーグさんから評価をいただきまして、シャレン!アウォーズで「パブリック賞」を受賞することができました。来年はより多くの活動ができるようにしていきたいと思います。
Q.ファン感謝祭は整理番号含め抽選にした方がいいのではないか。
川﨑:今年、色々なご意見をいただきました。なるべく多くの方に、選手との触れ合いを楽しんでいただきたい思いもありつつ、全ての方が安心・安全で、楽しめるような場を作っていきたいと思っています。皆さまからの貴重なご意見を参考に、クラブとして最善の策をとっていきたいと思います。
Q.いわき市内でサッカーを指導している皆さんにも、いわきFCの試合をみて還元してほしい。
大倉:現状としては、週末にサッカーの試合があるので、なかなか指導者の方は見ることができません。今、いわき市サッカー協会の方々ともなるべく生のプロの試合を見てもらうことがいいのかもしれないなど議論をしています。サッカーをしている子どもや指導者が関心を持ってくれることで、輪が広がっていくことを施策として考えています。
Q.シャトルバスを無料にこだわる理由とは。シャトルバスも大事な収入源だと思います。
大倉:浜通り交通さんにご協力のもと、シャトルバスを運行しています。今の仕組み上、有料にすることは少し難しいかもしれません。無料にこだわるという言い方が正しいかわかりませんが、無料にせざるを得ないのが現状です。
Q.後期からのハーフシーズンチケットは販売するが、前期のハーフシーズンチケットは販売しないのか。
川﨑:クラブとしては、年間の試合数でお得感を出したいと思っており、お客様の得られるメリットが減ってしまうと考えています。今シーズンは難しいですが、貴重なご意見だと思うので、検討してみたいと思います。
Q.遠方から来られるいわきFCサポーター向けの施策は考えていますか?
川﨑:現状ですと、「HOA IWAKI」や「えきスタウォーク」があります。財源が行政主体のものになるので、クラブ主体で行えるものを考えていきたいと思います。これらを周知していくことはもちろん、地域の方と話し合いながらより良いサービスを提供できるようにしていきたいと思います。