「いわきFC新スタジアムに係る今後の進め方」に関する共同記者会見を実施

本日5月21日、いわき市、いわき商工会議所、株式会社いわきスポーツクラブおよびいわきFC新スタジアム検討委員会「IWAKI GROWING UP PROJECT(IGUP)」が、共同で記者会見を実施し、「いわきFC新スタジアムに係る今後の進め方」として、今後の具体的な市の関わりについて発表されましたので、お知らせいたします。
具体的な市の関わり
・小名浜港周辺エリアの価値向上に向けた可能性調査の実施
スタジアム整備等を契機とした周辺エリアの観光交流やインバウンドの充実、防災・交通機能の向上について調査・検討を行う
・企業版ふるさと納税等の活用
市外に本社のある企業からの寄附を募り、新スタジアム整備等へ活用する
・庁内のプロジェクト推進体制の構築
令和7年度においては、防災・交通対策や都市基盤整備など組織横断的な検討を行うため、検討チームを設置
※整備候補地公表以降の動き
・3月28日(金)
株式会社いわきスポーツクラブが「新スタジアム整備候補地に関する記者会見」を実施し、整備候補地を「小名浜港の区域」とすると発表。
・4月30日(水)
経済4団体(いわき商工会議所、いわき地区商工会連絡協議会、いわき経済同友会、福島県中小企業家同友会いわき支部) がいわき市に「いわきFC 新スタジアム整備に関する要望書」を提出。「民間主導・行政支援」の原則を明確にし、市民の理解と合意を得ながら、官民連携の下で進めていくことを要望。
・5月9日(金)
スポーツによる人・まちづくり推進協議会が、同協議会の総会にて、いわき市の未来を切り拓く象徴的プロジェクトとして官民が一体となって強く推進することを決議。
いわき市 内田広之 市長 コメント

「ご存じのとおり、いわきスポーツクラブは、3月28日に新スタジアムの整備候補地として『小名浜港の区域』と発表したところです。発表以降、経済4団体から市に対し、『スタジアム整備に関する支援の要望書』が提出されたほか、スポーツによる人・まちづくり推進協議会において、『新スタジアム整備に関する総会決議』がなされるなど、整備に向けた機運も高まってきています。新スタジアムの整備は、本市のまちづくりや、交流人口拡大、観光・スポーツ振興に波及効果をもたらすものであり、今後、人口減少社会と向き合う地方都市にあって、地方創生の成功モデルとなり得る可能性を秘めた重要なプロジェクトとなります。本日の4者による共同記者会見は、官民連携のもと、この重要なプロジェクトを何としても実現していこうという、決意表明の意味も含めて開催するものです。市といたしましても、スタジアムの整備を契機とした周辺エリアの観光交流やインバウンドの充実、防災・交通機能の向上など、地元自治体として担うべき役割について検討していく必要があるものと考えています」
いわき商工会議所 小野栄重 会頭 コメント

「ただいま市長から力強いお話を伺い、大変心強く思っております。経済4団体からの要望については、すでに皆様もご存知かと思いますが、インフラ整備に加えて財政支援も必要だと感じています。民間主導・行政支援の枠組みはそのままに、官民一体となった体制で進めるよう要望しました。また、『スポーツによる人・まちづくり推進協議会』では74団体が一致団結し、この動きを支える決議もされており、こうした動きが市民に広がっていけば、まさに“いわきモデル”になるのではないかと思っています。スタジアムは、人がつながり、心地よく集える場であり、365日活気のある場所にしたいと考えています。課題解決の場としての可能性もあり、いわきの復興の総仕上げ、象徴ともなる事業です。民間主導・行政支援のスキームのもと、市民の総意で進めるプロジェクトであり、これはいわきの未来をかけた重要な都市計画です。私が長年掲げてきた『世界に誇れる復興都市いわき』の実現に向け、これからも市民とともに取り組んでまいります。どうぞご理解とご支援をお願いいたします」
株式会社いわきスポーツクラブ 代表取締役 大倉智 コメント

「このスタジアム構想は、2年前にスポーツ庁のスタジアム・アリーナ改革推進事業に採択されたことをきっかけにスタートしました。当時、内田市長、小野会頭にもご出席いただき会見を実施しましたが、民間主導で委員会を立ち上げ、市民の皆さんと『こんなスタジアムがあったらいいよね』という話を始めました。ここにいる上林座長、菅波さん、小野さんも、その時から一緒に取り組んできたメンバーです。そして、2年越しにここまで来られたことに感謝していますし、これがようやくスタートラインだと感じています。経済界からの支えや、スポーツによる人・まちづくり推進協議会での決議もいただいていますが、民間主導とはいえ、行政との連携 、市民の理解など、そこには経済的、社会的な合理性が必要ですし、地域力をあげる未来投資の考え方も重要です。整備候補地の発表を通じて、様々な課題がオープンになってきました。今後は、市民の皆さんの声を丁寧に聞きながら、ひとつひとつの課題に向き合い『本当に必要なものは何か』を議論し、前に進めていきたいと思っています」
IWAKI GROWING UP PROJECT 上林功 座長 コメント

「いわきFCの取り組みは、スポーツ庁の先進事例形成支援の事業に2年連続で採択されており、全国的にも注目されています。これは、市民や若者を巻き込みながら、丁寧にコンセプトを作り上げた点が高く評価された結果です。国の政策では、収益性の高いいわゆる『スマートベニュー』、さらには都市全体と連携する『スポーツコンプレックス』構想が進んでいます。広島や神戸などでは、官民の連携によって、スタジアムがまちづくりの核として機能し始めています。いわきの民間主導・行政支援の仕組みも、こうした流れに合致しており、今後の政策の方向性とも一致しています。このプロジェクトが市民協創の好事例として全国に示されることを、私も期待しています」
IWAKI GROWING UP PROJECT 委員 菅波香織 氏 コメント

「私は、子どもたちの意見表明力や大人がその声を聴く力を高める活動を続けています。そういった関わりから今回のプロジェクトにも参画させていただいたと思っていますが、IWAKI GROWING UP PROJECTでは、ユースプロジェクトでの議論等を踏まえて子どもたちの意見が多く反映されています。特に今回、子どもたちから『誰にも我慢させないスタジアムをつくりたい』といったインクルーシブな発言が多かったのが印象的でした。また、今回のプロセスで『可変的なスタジアム』という言葉が出ていますが、『変えていける』『試していける』といった発想で、子どもも大人も関わりしろのある『ラボ』のような場になっていけば素敵だなと思います。子どもたちと一緒につくるという点で、この取り組みが新しいモデルになることを願っています」
IWAKI GROWING UP PROJECT ユース委員 小野愛実 氏 コメント

「ユースプロジェクトでは、スタジアムだけでなく、いわきの未来について、子どもたちと一緒にたくさん議論してきました。その中で出てきた意見を『ユース報告書』としてまとめていますが、小学生や中高生の意見も多く、彼らが地域の未来を真剣に考えていることが伝わる内容になっています。ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。スタジアムの立地についても、アクセスのしやすさを重視する声は多くありました。小名浜が整備候補地になったと聞いたときは、遊びの定番スポットということもあり、個人的には嬉しく思いました。ただ、アクセス面における課題はあると思うので、整備が進んでいくことを期待しています。完成までにはまだ時間があるので、その間もユースや子どもたちの声を取り入れながら検討を続けていただきたいです。そして、スタジアムができた後も、いわきの未来を考える場として機能していってほしいと願っています」